2007.10.18

ザ・シューター

 DVDを借りてきて見たのだが、いや、映画館で見たらどうだったか。
 カーチェイスやなんだの迫力は映画館の方がぜったい迫力あるんだろうが、そういうのもう何度も見たし。
 結局、原作と共通するのは、登場人物の名前と、あとは、ちょっと片鱗があったりする場面が1つあっただけ。
 ラストも怪しい。

 いかにもとってつけたようなラストで、最初の脚本のラストと違っちゃったんだろうなあ。もしかすると、ラストだけでなく、全体に最初と大きく変わったのだろうな。
 あっちを改変、こっちを改変して、結局、残ったのは名前だけ。

 タイトルだけ残したのは、私みたいなのが、映画を見るから。
 名前も変えてしまえば良かったのにね。そうしたら、最初から違う映画として見たのだから。

 たかが、映画の話なんだけど、構造は西部劇。正義の味方が、悪い牧場主を違法にやっつける話で、中東の戦争のことを思うと、気持ちのいい話ではないなあ。

 予告に、ニール・ゲイマンのファンタジーが収録されていた。どうだろう。リアルな感じの容貌のヒロインなのだが、見れば面白いのだろうか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.09.16

ル・グィン『ヴォイス』

 新聞の広告で見るまで、このシリーズが出ていることを知らなかった。児童書扱いなので、図書館でも別のフロアにあるので気がつかなかったのである。
『ギフト』を借りて読んでみた。
 さらに『ヴォイス』を買って、栃木への行き帰りに読み終えた。いろいろ言いたいことはあるが、今は時間がないのでここまで。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.19

ニール・ゲイマン『アナンシの血脈』『ネバーウェア』

『アナンシ……』のほうは、魔術的リアリズムの手法によるファンタジーでしょうか。死んだ父がアナンシという神だったことを知った冴えない青年の自分探し、といった感じの本で、『ヤシ酒飲み』とかと雰囲気が似ている。
 アナンシというのは、クモのことで、トリックスター的な神様。ごく普通の日常的な風景の中に、いきなり、あんたの父さんは神様だった、という台詞が放り込まれて、物語が動き出す。
 これが面白かったので、図書館にあった『ネバーウェア』も読む。こちらも冴えない青年が、強圧的な婚約者とその上司のお偉いさんと気の進まない会食の席へと向かう途中、倒れている少女を助けたばっかりに、現実のロンドンの下に横たわるもう一つのロンドンを旅することになる。
 異世界の手触りは、クライブ・バーカーの『ウィーヴワールド』に似た、油っこいもの。次々と映像的なスペクタクルが広がるので、映画化されたら見るかもしれない。
 読後、「ここではないどこかへ」の強烈な憧れに圧倒される。
 中沢新一『ミクロコスモス』の中に、グノーシス派の思想の紹介があったのを思い出した。グノーシス派はキリスト教の一派で、異端として弾圧されるのだが、その思想はこんな感じのものだった。
 神というのは完全無欠の物であるはずだが、その被造物であるこの宇宙は完全無欠にはほど遠い。果たして、この宇宙を創った神は完全無欠だったのか疑わしい。
 ここで、グノーシス派は驚天動地の結論にいたる。
 つまり、この宇宙の創造主は不完全な偽の神である。本当の神はどこか別の宇宙にいるのである、と、思いきり要約してしまったが、こういうことをファンタジーではなくて、本当に信じていた人たちがいたのだ。
『ネバーウェア』もいわば偽の神をめぐるファンタジーである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.08.15

村上もとか『JIN-仁』

 僕の好きな大江戸神仙伝のような話で、現代の脳外科医が江戸時代にタイムスリップ、江戸時代の人々に医療を施すことになる。
 時あたかも幕末。
 勝海舟や坂本龍馬、西郷隆盛も出てくる。
 けっこうリアルな手術場面があり、脳の中に貯まった血液がピューッと噴き出したりするのもすごい。
 いうまでもないとおもうけれども、これはマンガで、現在、8巻まで出ている。
  仙台に取材にいったときに、読むものが無くなってしまって、仙台駅の本屋で1〜3まで購入。東京駅で4〜6を購入、翌日、立川で7、8を買った。
 何巻だったか、当時の吉原の夜景がカラーで描かれていて、ああ、こういう風だったのかもしれないと、納得した。江戸の夢幻が、絵になって描かれているというだけで、僕にはとても魅力的な本である。
 もちろん、その夢幻の影に梅毒患者が数多くいたりすることも、きちんと述べられている。こういう風に光と影がきちんと描かれた江戸の物語は、もしかすると小説の世界でもそうはないかもと思った。

 このマンガのことを知ったのは、朝日新聞のコミック評。マンガの立ち読みを許してくれないから、こういう書評はとても役に立つ。今日の夕刊で槙村さとるのリアルクローズについての紹介があった。面白そうだけど、どうかな?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

養老猛司『小説を読んで考えた』

 養老先生の、読書日記なのだが、ファンタジーをたくさん読んでいるのにびっくり。
 70過ぎた老人がファンタジーを読むのはどうかと思うがと、本人も自嘲しつつ、しかし、竜王伝説全巻を大人買いして、3日かかって読み通すというような楽しいことをやってのけている。
 僕の好きな氷と炎の歌などはどうやら原書で読んでいるらしい(違うか? 図書館で借りた本で、もう返却してしまったので、このへんはうろ覚え)。
 本は何よりも楽しいから読むのであるというのが基本。その基本を再確認させてもらった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007.06.15

立川のホタル

 かみさんにさそわれてホタルを見に行ってきた。
 富士見町の団地の中を流れる川にホタルが飛んでいるというのだ。川をきれいにしている人たちがいて、活動の一環としてホタルを育て放流しているという。
 団地の中のそれらしい川は、コンクリート三面ばりの、幅3メートルぐらいのちいさな川で、まわりを金網で囲まれて川に近づけないようになっていた。
 橋の上から見ると、遠くにぽつんとまたたく光がある。
 あれか?
Hotaru02

 半信半疑で目を凝らしていると、あちこちに、といっても2個か3個の小さな明かりが水銀灯の影の中にかろうじて見えた。
 写真はISO400 f1.8 シャッタースピードは1秒である。

 橋の上で見ていると、家族連れやら何やらがホタルを見にやってくる。懐中電灯を持った男性がいて、それがこのホタルを育てている人だった。
「去年は春になってから放流したので、100匹以上が飛び交ったのだけれども、今年はできるだけ自然状態に近づけようということで、秋のうちに放してみた。そうしたら全然出てこないので、全滅したかと思ったが、ようやく6月になって10頭ぐらいが飛んでいる」
 もうひとつ向こうの橋のそばで8頭ぐらいが飛んでいる、ということなので、そちらに行ってみた。

 自転車を停めて、ふと見ると、足下に緑の光がある。
「カップリングを終えたオスです。力つきたんでしょうね」
 自転車をどけて、写真をとろうとしたら、おじさんがさっさとつまみ上げて、放してしまった。
 その途中、シャッターを切ったのが、この写真。
 自動露出で、露光時間は最長の4秒になっていたが、途中で掌で塞いだ。アバウトだが1秒ぐらい。
Hotaru01

| | コメント (1) | トラックバック (1)

2007.05.24

風薫る

窓を開けると気持ちのよい風がはいってきます。
ふと見ると、ちゃっかり、うちの大猫が。

Cyanta001

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.05.03

神代植物公園

 藤の花が満開、ということで見に行ってきました。八重の藤の花の下に立つと、香りが降るようです。

P50200443


P50200162

| | コメント (2) | トラックバック (1)

2007.05.02

カズオイシグロ『わたしを離さないで』早川書房

 すごい小説で、ラストの悲痛なシーンは長く記憶に残るだろう。しかし、好みではない。
 好みでない理由というのは、リアリティの問題。
 この社会を成立させている背景に無理があるような気がする。結局、この物語の英国が、この方法を選んだ理由というのが納得いかないのだ。コストがかかりすぎるのではないか、という疑問がついにぬぐえなかった。
 そういう身もふたもない疑問が頭の隅から離れなかったのでついに物語の世界に没入できなかった。残念。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2007.04.04

トマス・ハリス/高見浩『ハンニバル・ライジング』新潮文庫

 新聞で広告を見て、立川の書店を覗いてみた。まだ無いんじゃないか、と思いながら。そうしたら、大量に平積みになっていた。平積みというんじゃなくて山盛り。
 上下2巻。一冊800円ぐらいかなあ、と見ると、540円!
 !!!!
 思い切った定価をつけたなあ、と感心して、中を見ると
????
 扉に水墨画。宮本武蔵の描くところの鷺図であると記されている。
 本文を開くと、活字がでかい。うーん。ほとんど買う気になっていたのに水をさされてしまった。
 出だしを読むと、なるほど、レクターの子供時代の話。ハンニバル誕生、というわけですね。

 活字が大きいすかすかのわけは、映画原作用なんですね。ハリス自身が脚本を書き、ゴールデンウィークには公開されるそうです。
 映画『羊たちの沈黙』と原作と、密度を比べたら、もう、ぜんぜんお話にならない。本人が脚本を書いてしまうと、映画にないエピソードとか、めんどくさくて書く気がしないんでしょうね。

 でもまあ、買ってしまって、読んでしまいました。あっと言う間に読めてしまって、映像ががんがん頭の中に浮かんでくる。まさに映画です。
 紫式部からとられた『紫夫人』という、名前だけだと美輪明宏を連想してしまうような(映画ではコン・リーなので安心してください)日本女性が出てきて、若きハンニバルと複雑で微妙な関係を紡いでいく。
 物語としては薄い感じですが、映像としては濃厚です。ヴィスコンティみたいな濃度の画面が続くんだったら、けっこう見応えがあるだろうなあ、とすこし期待してしまいました。

 小説としては、どうなのかなあ。やっぱり量がたりないのは如何ともし難いです。ハリスの醍醐味はフルコースを腹一杯食べさせられるところにあるわけで、しかもコースの中には美味珍肴の中にけっこう悪食に類するものが混ざっている。レストランの客としては、まあ嬉しいんですけれどもね。

 なんだか、昔からいきつけの店が大資本と組んでチェーン店を始めたみたいな感じです。
 そこには、こんなことをつぶやいている老人の客がいるんです。
「改装前の店はもっとずっと美味しかったんだよ」

| | コメント (3) | トラックバック (1)

«岩尾龍太郎『江戸時代のロビンソン』弦書房